2005/06/06

『タッグマッチ』

二人句集なんつーものを作ってみました。

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川柳集『タッグマッチ』
渡辺美輪×徳道かづみ

ISBN4-87787-260-4

もくじ 
「記者会見〜はじめに」
「プレマッチ〜恋愛以前」
「タッグマッチ〜恋愛初期」
「タイトルマッチ〜恋愛中期」
「デスマッチ〜恋愛終期」
「リターンマッチ〜NEXT」
「ロッカールーム〜あとがき対談」

タイトル通り、二人でタッグを組んで句のバトルをしております。

頒価800円(送料他200円)。お問い合せ・お申込みはこちら

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2004/11/11

『異邦の騎士』島田荘司

私が最初に読んだ島田作品は、短編集『御手洗潔の挨拶』(講談社文庫)。この一冊で、「御手洗潔」という奇人変人の名探偵のおもしろさにはまってしまった。
その後、長編ではじめて手に取ったのがこの本。『異邦の騎士』(講談社文庫)である。
読んでいて胸が痛くなった。推理小説を読んで涙を流したのは久々だ。

記憶喪失の青年の一人称で語られる物語は、ミステリというより恋愛小説。
助けてくれた少女は、自分に何か隠している。それは、自分の秘密に関わることらしい。
果たして自分は、殺人者なのか? それとも……。

この本は作者の初期、というより、作者にとって最初の作品とのこと(事情があって出版は後になったそうです)。
そのためか、確かに構成的に荒っぽいというか、ちょっとぎこちないところも見受けられる。
トリックも、島田作品特有の大胆かつ「こんなんあり?」というような大がかりなものではない。島田ミステリの好きな人には物足りないかも。
でもその「ぎくしゃく」が、かえって強さとなっているように私は思う。だから「改訂完全版」もあるそうだけど、私はあまり読みたくない。まあ、なんだかんだ言っても手に取ってしまうかもしれないけどね。

この本を最初に読んでいたら、間違いなくカズミスト(石岡君のファン)になったでしょう。
島田作品を読んだことのない人も、推理小説と思わずに読んでほしい一冊です。

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2004/11/08

『しゃべくり探偵』

笑える本も紹介しましょうか。

ミステリ小説が大好きな私だが、どっちかというと怖がりの私は、あんまり恐くない推理小説が好きだ。だからホラーはあまり好きではない。
中でも古き良き短編ミステリが大好き。クリスティやクイーン、チェスタートンはほとんど読んだな。最近ではエドワード・D・ホックがお気に入り。
日本のミステリも捨てたものではない。有栖川有栖や泡坂妻夫、鮎川哲也に都築道夫。なかなかいい味の短編ミステリがたくさんある。
その中で、最近最も笑ったミステリはというと、黒崎緑の『しゃべくり探偵』(創元推理文庫)である。

この『しゃべくり探偵』は、ほとんど漫才か小話。
大学生のボケ・ホームズこと保住くんが、友人のツッコミ・ワトソンこと和戸くんの持ち込む難問を、ものの見事に解決するアームチェア・ディテクティブもの。しかし、その間の二人の会話が、本当に関西弁での漫才そのままなのである。いやあ、笑った笑った。
そりゃ今までも、クレイグ・ライスの酔いどれ弁護士マローンとその友人達や、クリスティのトミーとタペンス楽天家夫妻みたいに、楽しいミステリというのはあった。一部だけ取り出せば十分笑えるミステリというのもたくさんある。
だけど、ここまで徹底して、全編「笑い」で通したミステリは初めてだった。しかも、ちゃんとミステリとしての骨子は成している。そこが面白い。
本を読むのが苦手な人、退屈している人、ありきたりのミステリに飽きた人におすすめです。

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2004/11/05

『悲苦を超えて』

平成7年1月17日、私の誕生日。
あの日私は神戸にいた。そして、あの激震に遭遇した。
マグニチュード7.4。震度7の揺れは、私の愛した神戸の街をこなごなにした。

私はその時、最も被害の大きかった東灘区にいた。
幸い私の住んでいたマンションは、潰れたり壊れたりすることなく済んだ。
それも本当は奇蹟だったのかもしれない。午前5時46分。当時、予備校の講師をしていた私は、仕事のある日でも毎日それほど早起きしなくても済む状態だった。それなのに、その朝に限ってやたらと早く目が覚めたのだ。
明け方の5時半。まだ眠い頭でぼんやりと私は布団にくるまったまま半身を起こし、ビデオのスイッチを入れ、とりとめもない番組の録画を見ていた。
と、突然テレビがぶちっと切れ、辺りが真っ暗になった。そしてドンッ、と下から突き上げるような揺れ。
その後は、とにかく部屋ごとシェークされているような有り様で、ただただ頭を抱えてうずくまっているしかなかった。
長かった20秒余りが過ぎ、ようやく揺れがおさまったとき、私は本棚の下敷きになっていた。といっても、私の上にあったのは、合板の軽い組立式本棚。しかもそこに納まっていたのは、文庫本ばかりだったから、私は棚の仕切り板で頭にこぶを一つ作っただけで済んだ。
その時、私の背後には、ハードカバーばかり詰まったスチール式の本棚が、ぐにゃりと曲がって倒れていた。そこはもし私が眼を覚まさずに寝ていたら、間違いなく頭を直撃しただろう位置だった。

九死に一生を得た私は、翌日には電車を乗り継ぎ岐阜の実家に避難することができた。そしてそれから2カ月余り、実家で過ごした。
「このままうち(実家)にいようか」と、何度も考えた。実家にいれば安穏に暮らせる。両親も親類も友人も手を差しのべてくれるだろう。なのに私は、神戸が気になって気になって仕方なかった。どうしようもなかったのに「私だけ神戸を離れて安穏な暮らしをしているなんて申し訳ない」とばかり思っていたのだ。テレビや新聞や雑誌の震災特集を繰り返し見ては、涙を流した。帰りたい。神戸に帰りたい。
そして3月末、かなり無理をして神戸に戻った私は、全く仕事のない状態に陥った。仕事の中心だった予備校は、震災で校舎も壊れ仕事の出来る状態ではなかった。
私はそれでも講師(教師)という仕事にこだわり続けた。他の仕事をしようとか、ボランティアをしようとか、そういった気持ちにならなかったのだ。私にできることは、国語を教えることだけ。何としても神戸の子供たちを教えたい。それしか考えられなかった。
しかし仕事は見つからず、願いは叶わないまま、ただただ悶々と過ごす日々を送っていた。
私ノ何ができるだろう。私に何が言えるだろう。……何もない。何も。

そんなとき、私は一冊の本に出合った。
川柳集『わが阪神大震災・悲苦を超えて』(時実新子選・曽我碌郎編、大和書房刊)である。
その年の3月末、新聞のコラムで紹介されていた時から「絶対この本を読みたい」と思っていた本が、書店に並んでいるのを目にしたのだ。
すぐに購入し、何度も読んだ。繰り返し繰り返し読み涙を流した。

  平成七年一月十七日 裂ける   時実新子
  死体検案す即死であったこと願い 大西俊和
  不揃いの食器で何を食べたやら  寺西文子
  公衆電話声を聞くまでしがみつく  坪井篤子
  あの顔この顔生きていてくれ夜になる 曽我碌郎

そうだ、私はこう言いたかったんだ。私が欲しかったのは、私がしたかったのは、こういうことだったんだ……。
すぐに私は本の著者(編集者)に感想の手紙を書いた。いや、ほとんどラブレターに近かったように思う。
「私も仲間に入れてください。私も一緒に川柳がしたい」ただひたすらそれだけを伝えたくて書いたのだから。
それから数ヶ月後、私は川柳作家・時実新子と出会い、師に導かれるままに川柳を始めた。
今や私にとって、川柳はなくてはならない相棒のように、いつでもそばにいる。

今、10年前の神戸とよく似た光景が新潟にある。
一個のおむすびを分け合い、毛布を奪いあい、水を汲みに遠くまで歩き、トイレに困り、お風呂を恋しがり……。
新潟の人々も、いつか心を救われる本と出合えるだろうか。
あの時私の心が、あの本で救われたように。

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2004/10/20

『時実新子 川柳の学校』

川柳入門書を書きました。

『時実新子 川柳の学校』

『時実新子 川柳の学校』杉山昌善・渡辺美輪 共著(実業之日本社刊)

新子句を読みながら、楽しく川柳を学べる。
これ一冊で川柳の歴史のあらましから作句のノウハウ、句会の進め方、選者の心得までわかる。
読みやすい、わかりやすい。これまでにない、画期的におもしろい川柳のテキストです(自画自賛)。
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